解体工事の流れ|工事前・工事中・工事後に分けて解説

解体工事の流れ
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解体工事の流れ

解体工事は、ただ建物を取り壊して終わりというものではなく、工事前から工事完了までのあいだに多くの工程が存在します。事前調査や解体作業、廃棄物の処理のように業者側で実施する工程が多くを占める一方で、ライフラインの停止手続きなどは依頼主で行わなければなりません。滞りなく解体工事を進めるためにも、依頼主側でも全体の流れを把握しておきましょう。

本記事では、解体工事の依頼段階から工事中、完了後までの流れをわかりやすく解説します。所有している建物や設備の解体をご検討中の方は、参考にしてみてください。

>>解体工事の期間の目安はどれくらい?工期が遅れる理由やスムーズに進めるポイント

解体工事業者に依頼する流れ

解体工事を行うには、まず依頼先となる解体業者を探す必要があります。複数社から見積もりを取り、信頼できる業者と契約を結びましょう。まずは、解体工事業者に依頼するまでの流れを紹介します。

1.解体業者を探す

解体工事を依頼するため、第一に行う必要があるのは業者探しです。地域の情報誌やインターネット、知人・友人の紹介などの手段を使って情報を集め、気になる業者をピックアップしてみてください。

最初から一つの業者だけに候補を絞ってしまうと、価格や工期設定、信頼性などの比較が難しくなるため、できれば複数社を選んでおきましょう。業者選びの際は、次のようなポイントを確認します。

  • 「解体工事業者登録」や「建設業許可」を取得済み
  • 解体費用が相場と近く妥当である
  • 損害賠償保険に加入している
  • 自社で重機を持っている
  • 万が一トラブルが起きたときの補償や対応が明確である

これらのポイントをふまえて、優良業者と思われるところを選定しましょう。許可や登録がないまま解体を行う業者は、違法性が高いため注意が必要です。

解体業者の選び方はどうする?ポイントや注意したい業者の特徴を解説

2.解体業者へ見積もりを依頼する

候補となる業者を3社ほどピックアップできたら、それぞれから見積もりを取ります。見積内容に合意してすぐ工事を始められるわけではないため、解体工事の希望日がある場合、遅くとも希望日の3ヵ月ほど前には見積もりをお願いしておきましょう。

また、一部自治体では、解体工事に際して補助金が出る場合もあります。自治体の窓口やホームページで情報を確認してみてください。

3.業者によって現地調査が行われる

見積もりの依頼後、業者による現地調査が行われます。現地調査で確認されるのは、解体対象となる建物の場所や構造、坪数、近隣道路の広さ、近隣家屋との距離、アスベスト資材の有無などです。

あらかじめこれらの情報を解体業者に伝えるだけでも、大まかな見積もりを出してもらうことは可能ですが、実際に現地を見てもらったほうがよいでしょう。近隣家屋との位置関係を正確に理解してもらえるほか、より正確な工期と見積金額を算出することが可能です。

また、依頼主としても、実際に業者と会うことで人柄やマナー、雰囲気などを知り、安心して解体工事を任せられるかどうかを考えられます。

4.見積内容を確認する

現地調査後は、見積内容の確認を行います。以下3つのポイントに着目して、複数の業者から取った見積もりが適切かどうかを見極めましょう。

  • 相場価格と見積額が大きく離れていないか
  • 担当者や会社の連絡先が記載されているか
  • 「一式〇〇円」などの表記ではなく、金額の内訳が細かく記載されているか

工事費用が明らかに高い場合だけでなく、あまりに安い業者にも注意が必要です。解体工事を行うための許可・資格を得ていない、不法投棄を行うなどの悪質な業者の可能性があります。

金額が妥当であり、内訳までわかりやすく記載されている業者への依頼を検討しましょう。見積もり時点で不明点があったら、きちんと説明を求めておくことが大切です。

5.解体業者との決定と契約を行う

解体工事を依頼する業者が決まったら、契約を結びます。このとき、口頭の約束で済ませるのではなく、必ず書面で契約の取り交わしを行ってください。 万が一のトラブルに備えて、解体業者の補償内容についても確認しておきます。

解体工事が始まるまでの流れ

解体工事開始前の流れのなかでも、近隣住民への説明・挨拶は、思わぬトラブルを防ぐために重要なプロセスとなります。また、ライフラインの停止など、依頼主側で行う必要のある手続きも計画的に進めておきましょう。

1.家屋や周辺地域の調査を行う

工事を始める前に、解体対象の建物や周辺地域の事前調査が行われます。見積もり時点での現地調査をふまえて、手順通りに解体工事が可能か、重機やトラックはどこに停めるかなどを確かめることが目的です。

この際、どこからがどこまでが依頼主の土地なのか、どこまで解体してよいのかといったことを正確に把握してもらうため、依頼主自身も事前調査に立ち会うことをおすすめします。留意点があれば伝えておき、認識違いによるトラブルを防ぎましょう。

2.近隣住民への説明・挨拶を行う

近隣住民に対して、解体工事を行う旨をあらかじめ説明しておきます。どれだけ親しい間柄であっても、工事期間や作業時間、騒音・振動・粉塵による迷惑をかける可能性があることなどの説明は必須です。挨拶や説明を行わないまま解体工事を進めてしまった場合、騒音などの影響が及んだ近隣住民から苦情が届くかもしれません。

基本的には解体業者が挨拶回りを主導してくれますが、依頼主も顔合わせに同行すると、少なからず印象がよくなる効果を期待できます。

3.ライフラインを停止する

解体工事が始まる数日前までに、ガスや電気などの各種ライフラインを停止させましょう。契約している各会社に電話で連絡するほか、オンラインで手続きができる場合もあります。ただし、解体工事中に水道を使用する可能性もゼロではないため、どのライフラインをいつ停止すべきなのか、事前に解体業者へ確認できていると安心です。

ライフラインが止まっていないまま解体工事日になると、作業に着手できず工期が伸びてしまいます。停止申請自体は1ヵ月ほど前からできるため、工事日が確定したら早めに連絡しておきましょう。

4.各種申請を行う

解体工事の内容によっては、下表のような各種申請が必要となります。

申請内容申請条件申請者
建築リサイクル法の申請・断熱材や建具、畳、サッシ、石膏ボードなど、分別が義務付けられた資材が含まれる一定以上の規模の建物を解体する場合
・申請のうえで、解体業者は分別やリサイクルに取り組まなくてはならない
申請義務は依頼主にあるものの、解体業者が代理で実施するのが一般的
道路使用許可の申請車や人の通行以外の目的で道路を使用する場合解体業者

建築リサイクル法・道路使用許可のいずれも解体業者側で申請を行うことが多く、依頼主自身がやり方を理解しておかなくても基本的には問題ありません。ただし、念のため着工前にこれらの申請が済んでいるか解体業者に確認しておくことをおすすめします。

5.家屋内のゴミを処分する

解体予定の建物内に不用品がある場合は、事前に処分しましょう。ゴミ処理を解体業者に依頼すると、作業が増え工期が伸びる可能性があります。また、別途料金がかかるケースも少なくありません。費用を抑えたい、スムーズに解体工事を進めたいというときには、依頼主自身で不用品を適切に処分するのも一つの手段です。

粗大ゴミの場合は回収日や処理料金が決められているため、事前に調べておきましょう。

6.養生・足場・防音パネルを設置する

解体工事に入るための準備として、解体業者が養生や足場、防音パネルを設置します。足場は従業員の安全を守り、計画通り工事を進めていくために必須であり、養生は粉塵の飛散や騒音防止など、近隣への影響を抑えるうえで欠かせません。足場と養生に関しては、ほぼすべての工事現場で設置されます。

一方、防音パネルの設置は、業者や解体対象にもよるでしょう。近隣に多くの家屋・施設がある場合や解体対象の建物が大きい場合には、設置されるケースが多い傾向にあります。防音パネルの設置には追加費用がかかるため、解体業者と依頼主で話し合いをしながら、要否を決定してみてくだい。

ただし、費用を抑えることを重要視した結果、近隣住民から騒音に対するクレームを受け、訴訟問題に発展するケースも考えられます。周辺地域への影響もふまえて、慎重に判断しましょう。

解体工事中の流れ

養生や足場が設置できたら、いよいよ解体工事開始となります。どのような流れで解体工事が行われるのか大まかに把握しておくことで、作業の進捗に問題がないか判断しやすくなるでしょう。

1.家の外回りの解体・撤去を行う

解体対象の建物に取り掛かる前に、外壁や外構設備の解体・撤去を行います。建物周辺にスペースがないと、重機が入れなかったり足場が悪くなったりするため、場合によってはカーポートや樹木、ブロック塀などの撤去が必要です。これらを片付けて、対象の建物を解体できるよう準備を整えます。

樹木に関しては、事前に自分で取り除けるものを廃棄しておくと、工期の遅れを防ぐことが可能です。

2.屋根の解体を行う

解体対象の建物のうち最初に着手するのは、屋根や瓦です。瓦は機械を使って取り壊すのが難しいため、1枚ずつ丁寧に外し分別を行わなければなりません。なかでもセメント瓦(スレート瓦)の場合、人体に有害なアスベストが含まれる可能性もあり、慎重な扱いが求められます。

分別解体をせず、一気に重機を使って屋根や瓦の撤去を行う解体業者は違法となるため、依頼主側でも把握しておきましょう。

3.建物内装の解体を行う

建物の内装部分である断熱材や建具、畳、サッシなどは、建築リサイクル法で分別が義務付けられており、手作業で解体を行います。建築リサイクル法の対象物と、そうでない不用品を分別しながら、撤去を進めるのが原則です。

4.建物本体の解体を行う

建物本体の解体とは、壁や梁、柱など主に家を支える構造物の取り壊し作業を指し、重機を使って行うケースがほとんどです。解体する際に粉塵が舞わないよう、散水をしながら作業を進めます。重機が入れない場所では手作業となるため、そのぶん費用がかかる可能性があることを念頭に置いておきましょう。

5.建物基礎の解体を行う

建物本体の解体が終わったら、次は重機を使って建物の基礎を解体していきます。この工程では特に振動や騒音が大きくなりやすく、近隣住民からクレームが来ることもあるかもしれません。依頼主のもとへクレームが届いた場合は、すぐに解体業者へ相談しましょう。

6.地中埋設物を確認する

解体工事の最後に、地中埋設物がないかを確認します。地中埋設物とは、地面に埋まっている廃材や井戸、浄化槽のことです。土地に地中埋設物が残ったまま二次利用しようとすると、地盤が安定しない、土地売却費用に影響するなどのリスクが伴います。

地中埋設物の撤去には多くの場合、追加費用が必要となりますが、上記のリスクを避けるためにも撤去しておくことが望ましいでしょう。

解体工事完了後の流れ

工事完了後は、解体によって出た産業廃棄物の適切な処理、清掃、整地を済ませて依頼主へ引き渡しとなります。近隣住民への挨拶も忘れず行い、最後までトラブルのないよう進めましょう。

1.廃棄物を処理する

解体工事後、リサイクルするものと廃棄物とに分け、産業廃棄物として出た木くずやコンクリートの破片などは処理場に運搬します。着工してから地中に建築廃材が埋まっていることが判明したり、工事の妨げとなるほどの大きな岩が出てきたりした場合、処理のための追加費用が発生するかもしれません。

一方で、リサイクル可能なものは解体業者で引き取り・買い取りを行ってくれることもあります。

2.清掃作業を行う

廃棄物の処理と並行して、清掃作業を行います。敷地内の清掃はもちろんのこと、周辺道路に飛散している細かなゴミ・ガラス・コンクリートガラなども回収し、車や人が通っても危険性がない状態にしなければなりません。

清掃が完了し次第、掘り起こした土地をならすための整地を行うケースもあるでしょう。新たな建物を建てたい場合や土地を売りたい場合、整地作業は必須となります。

解体工事後の清掃を依頼主自身で行う必要はありませんが、立ち合いや現場の様子を確認しにいった際に、敷地と周辺道路がきれいになっているかきちんと確認しておきましょう。

3.工事終了後の挨拶回りをする

解体工事が完了したら、近隣住民にその旨を報告し、理解と協力に対するお礼の言葉を伝えます。工期が延びてしまった場合は特に、長いあいだ迷惑をかけたことの謝罪とともに、無事に工事が終わり、今後は騒音や揺れ、粉塵などが起きないことを説明してください。

あわせて、近隣住民の家屋などに工事の影響と思われる破損・汚れが発生していないかを尋ねておくと、万が一のことがあってもスムーズに対応できます。解体工事後、その地域にとどまらないとしても、丁寧なフォローが求められるでしょう。

4.土地の引き渡しを受ける

解体工事を担当した業者から、土地の引き渡しを受けます。契約内容と作業内容に相違がないか最終チェックを行いましょう。解体を依頼したものに関して工事が完了していない、敷地内の建物に損傷や汚れがあるといった場合は迷わず相談し、納得のうえで引き渡しへと進むことが大切です。

5.地鎮祭を行う

地域性や慣習にもよりますが、引き渡しを受けた土地に再び新しい建物を建てる場合、地鎮祭を行うケースもあるでしょう。地鎮祭は、土地の神様に対して、工事を無事に終えられたお礼を伝えるとともに、新たな工事の許可を得るために行う儀式です。

実施する場合、神主さんへの依頼費用や準備費用などがかかります。必ずしも行う必要はありませんが、ご家族や親族、近隣の方の意見を聞きながら検討してみてください。

6.建物滅失登記の申請を行う

解体工事に伴う事務手続きとして、最後に滅失登記申請を行います。建物滅失登記とは、建物の取り壊しや火災などによる消失があった際に、建物の所有者もしくはその代理人が行う手続きのことです。解体業者から各種証明書やマニフェスト伝票を受け取り、必要書類をそろえたうえで法務局に提出しましょう。

解体から1ヵ月以内に手続きを済ませる必要があるほか、土地家屋調査士などに依頼する場合は4万~5万円の費用がかかる点に注意します。

まとめ

解体工事は、依頼先である業者が主導して進めてくれますが、なかには依頼主自身で行う必要のある工程や手続きも存在します。近隣住民への挨拶をはじめとして、ライフラインの停止、不用品の処分、建物滅失登記まで、解体工事をスムーズに進められるよう全体の流れを頭に入れておくとよいでしょう。

とはいえ、解体工事はそう頻繁に経験するものでもなく、進め方に不安を感じる方もいるかもしれません。万が一のトラブルが起きる可能性も想定し、安心して頼れる解体業者を選ぶことが大切になります。

静岡県内の解体工事は、ケンシン総業にぜひご相談ください。

  • 初めての解体工事で何をどうしたらいいかわからない
  • いくつかの業者を比較してから依頼先を決めたい
  • 工事の相場が分からず不安。適正な費用で依頼したい
  • 安心して工事を任せられる業者に解体をお願いしたい

こうしたお客様のご要望に寄り添い、真心を込めて対応させていただきます。解体工事について不安な点やご不安な点があれば、どんなことでもお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。